第90章:コラム:メモ化は「最適化」。まずは動くものを作ろう。
メモ化はあくまで「最適化」✨ まずはちゃんと動くものを作ろう!
ここまでで
React.memouseCallbackuseMemo
…を使って「ムダな再レンダリングを減らすテクニック」を見てきましたよね 😊
でもここでいったん、とても大事なマインドセットを整理しておきます。
🔑 キーワード: メモ化 = パフォーマンス最適化の“道具”であって、“義務”じゃない
1️⃣ そもそも「メモ化」って何してるの?🧠
メモ化(memoization)はざっくり言うと…
「前に計算した結果を覚えておいて、 同じ入力ならもう一回計算しないようにするテクニック」✨
React の場合は…
React.memo👉 同じ Props ならコンポーネントを描き直さないuseCallback👉 同じ依存関係なら「関数オブジェクト」を作り直さないuseMemo👉 同じ依存関係なら計算結果を使い回す
みたいな感じで、**「変わってないならサボっちゃおう〜」**というお仕事をしてくれます 🛋️
2️⃣ でもね…「とりあえず全部メモ化」はNG 😵💫
React を勉強し始めると、ついこう思いがちです。
「
useMemoとかuseCallbackとか、 とにかく付けとけば速くなるんでしょ?💪」
実はこれ、よくある“罠”です ⚠️
理由はいくつかあって…
-
コードが読みにくくなる
- ただのコンポーネントだったはずが
useMemo/useCallbackだらけで 「え…依存配列なにこれ…😇」となりがち
- ただのコンポーネントだったはずが
-
バグの温床になりやすい
- 依存配列に入れ忘れたせいで、 「画面は変わってほしいのに変わらない」みたいな不具合が発生
-
そもそも速くならないことも多い
- メモ化もタダじゃなくて、 「比較する」「キャッシュを管理する」コストがかかります
- 処理が軽いのにメモ化すると、逆に遅くなるケースもあります 🐢
だから、
「とりあえず全部メモ化」は、 いい習慣というより“やりすぎダイエット”みたいなもの
と思っておくと安心です ✨
3️⃣ React 19 時代の考え方:まずは“素直なコード”が最強 ✨
React 19 では、React Compiler という仕組みが入っていて、 コンポーネントのレンダリングを自動でいい感じに最適化してくれるようになってきています。(QED42)
公式ドキュメントでも、React 19 は
- Actions
- 新しい
use()API - 自動最適化 など
を含んだ大きなリリースとして紹介されています。(ウィキペディア)
つまりこれからの時代は、
🧩 人間が頑張ってあちこち
useMemoするより、 React に任せられるところは任せてOK
という方向に進んでいます。
だからこそ、このコラムで一番伝えたいのは……
✅ 「読みやすく・バグりにくい“ふつうのコード”をまず書こう」 ✅ 「本当に必要になったところだけ、メモ化を考えよう」
という順番です 🌸
4️⃣ じゃあ、いつメモ化を考えればいいの?🔍
「全部ダメ」ではなくて、“ここで使うと気持ちいい”ポイントがあります。
💡 メモ化を検討したくなる“サイン”たち
次のような症状が出てきたときです 👇
-
🔁 スクロールがガクガクする
- 例:大量のリストを表示していて、別のボタンを押すたびにカクつく
-
🐌 入力がもっさりする
- 例:フォームに文字を打つときに、キー入力が遅れてついてくる
-
🎨 小さなボタンを押しただけで、画面全体が再レンダリングされてる
- React DevTools を見てみると、「え、このコンポーネントまで毎回レンダリングされてるの?」となるとき
こういうときに、
React.memoで「変わってない子コンポーネント」を止めるuseCallbackで「毎回新しく生成される関数」を安定させるuseMemoで重い計算結果をキャッシュする
…という選択肢が “はじめて意味を持つ” と思っておくと良いです ✨
5️⃣ ゴールは「ユーザー体験」🎧 そのためのメモ化
大事なのは、数字ではなく体験です。
- ユーザーが「サクサク動くな〜✨」と感じれば勝ち
- ユーザーが「なんか重い…」と感じれば改善ポイント
そして、その改善のためのツールのひとつがメモ化です。
🎯 目標:「ちゃんと動く」+「気持ちよく使える」 メモ化は、そのうちの後半(パフォーマンス担当)を助ける存在
6️⃣ 実務風ワークフロー:こう考えるとラクになるよフロー 🚶♀️🚶♀️
図でイメージしてみましょう ✨ (Mermaid で書いてあります)
このフローで進めると、
- 🔹 A:まずはシンプルに作る
- 🔹 B:自分で触ってみて「重い?」と感じるかを見る
- 🔹 D:DevTools などで原因を探す
- 🔹 E:そこで初めてメモ化を適用
- 🔹 F:また触ってみて、改善したか確認
という、**「迷子になりにくいループ」**で開発できます 👍
7️⃣ 「最初はこれでOK!」なシンプル実装例 ✨
たとえば、TODO リストを表示するコンポーネントがあったとします。
✅ 最初の段階では、あえてメモ化しない版からスタートしてOKです。
type TodoItem = {
id: number;
title: string;
};
type TodoListProps = {
items: TodoItem[];
onItemClick: (id: number) => void;
};
export function TodoList({ items, onItemClick }: TodoListProps) {
return (
<ul>
{items.map((item) => (
<li key={item.id}>
<button onClick={() => onItemClick(item.id)}>
{item.title}
</button>
</li>
))}
</ul>
);
}
これだけでも、まずは 「機能としては完成」🎉 です。
- クリックできる
- どの
idが押されたか分かる - TypeScript 的にも安全
ここで 「遅くないなら、そのままでいい」 という判断も全然アリです 🙆♀️
8️⃣ 本当に必要になったら、こうやってメモ化する 🛠️
もし「TODO が何千件もあって重い…」みたいな状況になったら、 はじめて「じゃあ分割してメモ化しようか」が登場します。
import { memo, useCallback } from "react";
type TodoItem = {
id: number;
title: string;
};
type TodoListProps = {
items: TodoItem[];
onItemClick: (id: number) => void;
};
type TodoItemButtonProps = {
item: TodoItem;
onClick: (id: number) => void;
};
const TodoItemButton = memo(function TodoItemButton({
item,
onClick,
}: TodoItemButtonProps) {
console.log("render:", item.title); // デバッグ用 🐛
return (
<li>
<button onClick={() => onClick(item.id)}>{item.title}</button>
</li>
);
});
export function TodoList({ items, onItemClick }: TodoListProps) {
const handleItemClick = useCallback(
(id: number) => {
onItemClick(id);
},
[onItemClick]
);
return (
<ul>
{items.map((item) => (
<TodoItemButton
key={item.id}
item={item}
onClick={handleItemClick}
/>
))}
</ul>
);
}
でも、これはあくまで
「重くなってから」「原因がここだと分かってから」 適用すれば十分 ✨
というイメージで大丈夫です。
9️⃣ まとめ:この章でいちばん伝えたいこと 🌈
最後に、このコラムのエッセンスをギュッとまとめます 🧃
-
🧠 メモ化(
React.memo/useCallback/useMemo)は “性能アップのための道具”であって、義務じゃない -
🚫 「全部とりあえずメモ化」は 読みづらさ・バグ・逆効果の原因になることも
-
🧾 React 19 や React Compiler によって、 フレームワーク側でも最適化がどんどん進んでいる(QED42)
-
✅ だからこそ、
- まずは素直で分かりやすいコードを書く
- 重いと感じたら原因を調べる
- 必要になったところだけメモ化する
この順番で考えれば OK です ✨
🌟 メッセージ: 「速さ」よりも、まずは「ちゃんと動く」「読みやすい」を大事にしよう。 パフォーマンスは“あとから味付けする調味料”みたいなものだよ🍳
次の章からも、ムリに背伸びせず、まずは動くものを。 そのうち、自然と「ここはメモ化したほうが良さそうだな〜」って 肌で分かるようになってきますよ 🥰🚀