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第40章：練習：型を付けたフォーム入力。e.target.value を安全に使う。

練習：型を付けたフォーム入力。e.target.value を安全に使う。

40-1 🎯 今日のゴール​

この章のゴールは、

  • フォームの入力イベントに ちゃんと型を付ける
  • e.target.value を TypeScript的に安全に扱う
  • 「文字 → 数値」みたいな変換も、エラーにならないように書ける

ようになることです💪

最終的にはこんなことができるミニアプリを作ります👇

  • 名前を入力すると、すぐ下に「こんにちは、〇〇さん！」と表示される
  • 年齢を入力すると、「〇〇歳なんだね！」と表示される（数字として扱う）

40-2 🧪 まずはシンプルなフォームから​

まずは「名前を入力 → 画面に表示」だけの、超シンプルなフォームを作ってみます。

src/SimpleForm.tsx を作って、こんなコードを書いてみましょう👇

import { useState } from "react";

export function SimpleForm() {
  const [name, setName] = useState<string>("");

  function handleChange(event: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) {
    setName(event.target.value);
  }

  return (
    <div style={{ padding: "16px" }}>
      <h2>お名前フォーム ✏️</h2>
      <input
        type="text"
        value={name}
        onChange={handleChange}
        placeholder="お名前を入力してね"
      />
      <p>こんにちは、{name || "名無しさん"}！</p>
    </div>
  );
}

App.tsx からこのコンポーネントを呼び出して動かしてみてください👇

import { SimpleForm } from "./SimpleForm";

export function App() {
  return (
    <>
      <h1>フォーム練習ページ 🎉</h1>
      <SimpleForm />
    </>
  );
}

ブラウザでフォームに文字を入力してみて、 下のテキストがリアルタイムで変わればOKです ✨

40-3 🧬 イベントの「型」をちゃんと付ける​

さっきのコードの、ここがポイントです👇

function handleChange(event: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) {
  setName(event.target.value);
}

🧩 なんで React.ChangeEvent<HTMLInputElement> が必要なの？​

型を付けないでこう書くと……

function handleChange(event) {
  setName(event.target.value);
}

TypeScript によっては、こんなエラーが出ることがあります⚠️

Property 'value' does not exist on type 'EventTarget & ...'

理由はカンタンで、

  • event の中身（型）が よくわからない
  • event.target が 本当に <input> なのか？ TS的には自信がない

だから、**「これは <input> の Change イベントだよ！」**と はっきり教えてあげる必要があります。

💡 イベントの型のイメージ図​

図で見ると、こんな感じです👇

ここで C → D のところが、 「イベントの型をちゃんと付けておかないと怒られる」ポイントです😌

40-4 ✅ e.target.value を安全に使う 3つのポイント​

① イベントの型は React.ChangeEvent<HTMLInputElement>​

イベントハンドラの引数に、ちゃんと型を付けます。

import React, { useState } from "react";

export function SimpleForm() {
  const [name, setName] = useState<string>("");

  function handleChange(e: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) {
    // ここで e.target.value に安全にアクセスできる
    setName(e.target.value);
  }

  return (
    <input value={name} onChange={handleChange} />
  );
}

② e.target より e.currentTarget が安心 ✨​

実は、さらに安全に書くなら e.currentTarget を使うのがオススメです。

  • e.target

    • 「どこからイベントが発生したか」という“発生元”

  • e.currentTarget

    • 「このイベントハンドラが直接くっついている要素」

React の型定義では、React.ChangeEvent<HTMLInputElement> を使うと currentTarget がしっかり HTMLInputElement になります。

function handleChange(e: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) {
  const value = e.currentTarget.value; // ← こっちがより「安全な」書き方
  setName(value);
}

③ 無名関数で書くときも「型」は同じ​

イベントハンドラを直接 JSX に書くパターンもあります。

<input
  value={name}
  onChange={(e: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) => {
    setName(e.currentTarget.value);
  }}
/>

どちらの書き方でもOKですが、この章では

  • 関数として分けるパターン
  • e.currentTarget.value を使う

このスタイルをおすすめします🌸

40-5 🔢 数値を入力するときの「安全な」書き方​

フォームでは、年齢や金額など 数字 を扱うことも多いですよね。 でも e.currentTarget.value の型は 文字列 (string) です。

ここでは、

  • 年齢を <input type="number"> で受け取る
  • State では 数値 (number | null) として管理する

という練習をしてみましょう 💪

🧾 年齢フォームの例​

src/AgeForm.tsx を作ります。

import React, { useState } from "react";

export function AgeForm() {
  // 「まだ入力されてない」ことも表現したいので number | null にする
  const [age, setAge] = useState<number | null>(null);

  function handleChange(e: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) {
    const value = e.currentTarget.value;

    // 🔍 入力が空文字のときは null にしておく
    if (value === "") {
      setAge(null);
      return;
    }

    // 文字列 → 数値に変換（10進数として読み取る）
    const parsed = Number(value);

    // NaN（数字じゃない）だったら Stateを更新しない or null にする
    if (Number.isNaN(parsed)) {
      setAge(null);
    } else {
      setAge(parsed);
    }
  }

  return (
    <div style={{ padding: "16px", marginTop: "24px" }}>
      <h2>年齢フォーム 👶🧑‍🎓🧓</h2>
      <input
        type="number"
        min={0}
        max={120}
        onChange={handleChange}
        placeholder="年齢を入力してね"
      />

      <p>
        {age === null
          ? "まだ年齢が入力されていません。"
          : `あなたは ${age} 歳なんだね！`}
      </p>
    </div>
  );
}

App.tsx で両方呼び出してみましょう👇

import { SimpleForm } from "./SimpleForm";
import { AgeForm } from "./AgeForm";

export function App() {
  return (
    <main style={{ padding: "16px" }}>
      <h1>フォーム入力の型練習ページ ✨</h1>
      <SimpleForm />
      <AgeForm />
    </main>
  );
}

40-6 🧠 「型」的に大事なポイントまとめ​

この章で学んだ「型のツボ」をもう一度整理しておきます 📚

  1. イベントには必ず型を付ける

    • 例：React.ChangeEvent<HTMLInputElement>

  2. e.currentTarget.value を使うとより安全

    • currentTarget は「このハンドラが付いてる要素」なので、型がハッキリしている

  3. 数値入力は string → number への変換が必要

    • Number(value) や parseInt(value, 10) を使う
    • 空文字（""）の扱いも決めておく（null にするなど）

  4. State の型は「ありうる状態」をちゃんと表現する

    • 入力前：null
    • 入力済み：number
    • → number | null というユニオン型が活躍する 🎉

40-7 ✍️ ミニ演習（チャレンジ問題）​

最後に、自分の手で書いてみるコーナーです 🧪

🎵 演習1：好きなアーティスト入力フォーム​

  • 「好きなアーティスト名」を入力する <input type="text">
  • State の名前は favoriteArtist: string
  • 入力したら、下に 今ハマっているのは「〇〇」なんだね！ と表示する
  • onChange のイベントに 型を付けること！

👉 できたら、SimpleForm をマネしながら FavoriteArtistForm コンポーネントを作ってみてください。

☕ 演習2：カフェでよく頼むドリンク​

  • 「よく頼むドリンクの値段（円）」を入力する <input type="number">
  • State の型は number | null
  • 1000円より高いときは ちょっとリッチなドリンクだね ✨ それ以外は ふだん使いにちょうどいいね ☕ と表示する

👉 ここでも e.currentTarget.value を使って、 数字への変換＆null の扱いを意識してみましょう。

40-8 🌈 次の章へのつながり​

ここまでできるようになると、

  • 「フォームから文字や数字を受け取る」
  • 「それを型安全に State に保存する」

という、Reactアプリのかなり重要な部分が身についています 🥰

次の章では、この「安全なState更新」を使いながら、 配列やオブジェクトのState に広げていきます。 フォーム + リスト表示の世界に進んでいきましょう 🚀