Skip to main content

第77章：Provider を分ける

1️⃣ 今日のゴール 🎯​

この章のゴールは、これです👇

「Context の Provider を、App.tsx から外に出してスッキリさせる」

  • Context 自体はもう知ってる想定だよね（createContext / Provider / useContext / カスタムフックなど）。(React)
  • でも、その Provider をどこに置くか は、設計の話になるので、ちゃんとパターンとして覚えておくとめちゃ便利です ✨

2️⃣ よくある「App.tsx がギュウギュウ問題」😵‍💫​

まずは「よくない例」から。

全部 App.tsx に書いちゃってるパターンをイメージしてみましょう。

  • App.tsx の中で

    • ThemeContext を作って
    • useState でテーマを管理して
    • そのまま <ThemeContext.Provider> で全体を包む

みたいな状態です。

// src/App.tsx（イマイチな例）💦
import { createContext, useState } from "react";

type Theme = "light" | "dark";

type ThemeContextValue = {
  theme: Theme;
  toggleTheme: () => void;
};

export const ThemeContext = createContext<ThemeContextValue | undefined>(
  undefined
);

export function App() {
  const [theme, setTheme] = useState<Theme>("light");

  const value: ThemeContextValue = {
    theme,
    toggleTheme: () =>
      setTheme((prev) => (prev === "light" ? "dark" : "light")),
  };

  return (
    <ThemeContext.Provider value={value}>
      {/* 本当はここにページやルーティングがいろいろ並ぶ */}
      <h1>こんにちは！</h1>
    </ThemeContext.Provider>
  );
}

これでも動くし、最初はこれで全然OKなんだけど…

  • Context が増えるたびに UserContext.Provider SettingsContext.Provider ThemeContext.Provider …みたいに、App.tsx がネストだらけになります 🌀

  • App.tsx は

    • ルーティング
    • レイアウト
    • ページの組み立て などの「画面構成」に集中させたいのに、状態管理ロジックまで入り込んでくるのがつらいポイントです。

3️⃣ 図でイメージしてみる 🧠✨​

まずは「全部 App.tsx に書いている」パターンを図にします。

これでも悪くはないんだけど、Context が増えると…

  • App.tsx が「なんでも倉庫」になってしまう、というイメージです 🧳🧳🧳

4️⃣ 方針：Provider を「専用コンポーネント」にする ✂️​

そこで第77章のアイデアはこれ👇

Context ごとに「Provider 専用コンポーネント」を作って、App.tsx から追い出す

今回の例では ThemeContext を使って説明しますが、この考え方は どんな Context にも共通で使えます ☺️

5️⃣ ステップ①：Context を専用ファイルにお引っ越し 📦​

まずは、ThemeContext 用のファイルを作ります。

👉 例：src/contexts/ThemeContext.tsx

この中に

  • 型定義（Theme と ThemeContextValue）
  • ThemeContext 本体
  • ThemeProvider コンポーネント
  • useTheme カスタムフック

までを全部まとめてしまいます。

// src/contexts/ThemeContext.tsx ✨
import {
  createContext,
  useContext,
  useState,
  type ReactNode,
} from "react";

type Theme = "light" | "dark";

type ThemeContextValue = {
  theme: Theme;
  toggleTheme: () => void;
};

// 76章でやった「undefined を許す」スタイルと同じノリ 🧠
const ThemeContext = createContext<ThemeContextValue | undefined>(undefined);

type ThemeProviderProps = {
  children: ReactNode;
};

export function ThemeProvider({ children }: ThemeProviderProps) {
  const [theme, setTheme] = useState<Theme>("light");

  const value: ThemeContextValue = {
    theme,
    toggleTheme: () =>
      setTheme((prev) => (prev === "light" ? "dark" : "light")),
  };

  return (
    <ThemeContext.Provider value={value}>{children}</ThemeContext.Provider>
  );
}

// 76章の復習：安全なカスタムフック 🔒
export function useTheme() {
  const context = useContext(ThemeContext);
  if (context === undefined) {
    throw new Error("useTheme は ThemeProvider の中で使ってください 🌙");
  }
  return context;
}

これで、

  • Context 関連のものは ThemeContext.tsx に集結
  • 他のファイルからは ThemeProvider と useTheme だけ知っていればOK

という、きれいな状態になります ✨

6️⃣ ステップ②：App.tsx からロジックを追い出す 🏃‍♀️💨​

次に App.tsx を、画面構成だけ担当する子にしてあげます。

👉 例：src/App.tsx

// src/App.tsx 🎀
import { useTheme } from "./contexts/ThemeContext";

export function App() {
  const { theme, toggleTheme } = useTheme();

  return (
    <div
      style={{
        padding: "16px",
        backgroundColor: theme === "light" ? "#fff" : "#222",
        color: theme === "light" ? "#222" : "#fff",
      }}
    >
      <h1>第77章：Provider を分けてみたよ ✨</h1>
      <p>いまのテーマ: {theme}</p>
      <button onClick={toggleTheme}>テーマを切り替える🌗</button>
    </div>
  );
}

ここでポイントは 👇

  • App は もう useState もしないし createContext もしない
  • ただ useTheme() で「コンテキストの値」をもらうだけ
  • 「Theme をどう管理しているか」は ThemeProvider の責任

→ App.tsx がかなりスッキリしてきましたね 🧼

7️⃣ ステップ③：どこで ThemeProvider で包むの？🤔​

じゃあ、ThemeProvider はどこで使うの？という話です。

一番よくあるのは、main.tsx（Vite が作ってくれたエントリーポイント）でアプリ全体を包むパターンです。

👉 例：src/main.tsx

// src/main.tsx 🌸
import React from "react";
import ReactDOM from "react-dom/client";
import { App } from "./App";
import { ThemeProvider } from "./contexts/ThemeContext";

ReactDOM.createRoot(
  document.getElementById("root") as HTMLElement
).render(
  <React.StrictMode>
    <ThemeProvider>
      <App />
    </ThemeProvider>
  </React.StrictMode>
);

こうすると、アプリ全体のどのコンポーネントからでも useTheme() が使えるようになります 💡

そして App.tsx 自体は、ただの「画面の組み立て係」に専念できます。

8️⃣ ステップ④：Provider が増えたら「AppProviders」で束ねよう 🎁​

アプリが大きくなると、だいたいこんな感じになります👇

  • AuthProvider（ログイン状態）
  • ThemeProvider（テーマ）
  • UserSettingsProvider（ユーザー設定）
  • CartProvider（カート情報）

そのたびに main.tsx でこんなふうにネストしていくと…🌀

// よくある「ネスト地獄」例 😇
ReactDOM.createRoot(...).render(
  <React.StrictMode>
    <AuthProvider>
      <ThemeProvider>
        <UserSettingsProvider>
          <CartProvider>
            <App />
          </CartProvider>
        </UserSettingsProvider>
      </ThemeProvider>
    </AuthProvider>
  </React.StrictMode>
);

これでも動くんだけど、見た目がちょっとツラい…。

そこで登場するのが、「まとめ役 Provider」 です ✨

🧺 AppProviders という「まとめコンポーネント」を作る​

👉 例：src/providers/AppProviders.tsx

// src/providers/AppProviders.tsx 💐
import type { ReactNode } from "react";
import { ThemeProvider } from "../contexts/ThemeContext";
// 将来的にここに追加していくイメージ
// import { AuthProvider } from "../contexts/AuthContext";
// import { UserSettingsProvider } from "../contexts/UserSettingsContext";

type AppProvidersProps = {
  children: ReactNode;
};

export function AppProviders({ children }: AppProvidersProps) {
  return (
    // ここに「アプリ共通の Provider」を全部まとめる
    // 順番もここで管理できるのがポイント 💡
    // <AuthProvider>
    //   <UserSettingsProvider>
    //     <ThemeProvider>
    //       {children}
    //     </ThemeProvider>
    //   </UserSettingsProvider>
    // </AuthProvider>

    // 今回は Theme だけにしてシンプルに ✨
    <ThemeProvider>{children}</ThemeProvider>
  );
}

そして main.tsx はこうなります 👇

// src/main.tsx（スッキリ版）✨
import React from "react";
import ReactDOM from "react-dom/client";
import { App } from "./App";
import { AppProviders } from "./providers/AppProviders";

ReactDOM.createRoot(
  document.getElementById("root") as HTMLElement
).render(
  <React.StrictMode>
    <AppProviders>
      <App />
    </AppProviders>
  </React.StrictMode>
);

これで

  • main.tsx → 「アプリの一番外側」を担当
  • AppProviders.tsx → 「共通 Provider の並べ方」を担当
  • App.tsx → 「画面（ルーティング・レイアウト）」を担当

と、いい感じに役割分担ができました👏

9️⃣ 図で「まとめ Providers パターン」を確認 🧩​

さっきの構成を Mermaid で図にしてみます。

  • Provider のネストは AppProviders の中だけ に閉じ込める
  • App.tsx からは Context の管理ロジックが消えて、 かなり読みやすくなります ✨

🔟 どこまで分ければいいの？という感覚の話 🎈​

「なんでもかんでも分ければいい」というわけではなくて、ざっくり次の感覚でOKです👇

  1. Context の数が 1〜2 個くらい

    • 最初は App.tsx にあってもそこまで困らない

  2. 3 個以上になってきたら

    • ThemeProvider などを専用ファイルに出す

  3. 「アプリ全体で使う Provider」が増えてきたら

    • AppProviders でまとめる

  4. あるページだけで使う Context

    • そのページのフォルダの中で Provider を作って、
    • そのページのルートコンポーネントだけ包む → 「必要なところにだけかける」のがポイント 🎯

1️⃣1️⃣ ミニ練習問題 ✏️✨​

時間があれば、こんな練習をしてみてね👇

  1. UserContext を作ってみる

    • type User = { id: number; name: string };
    • UserContextValue = { user: User | null; setUser: (...) => void }
    • UserProvider と useUser を src/contexts/UserContext.tsx に作る

  2. AppProviders に追加する

    • AppProviders の中で <UserProvider> → <ThemeProvider> → {children} の順にネストしてみる

  3. App.tsx から useUser() を呼んでみる

    • user が null なら「未ログイン」表示
    • テスト用にボタンでダミーのユーザーをセットしてみる

ここまでできたら、

「Provider を専用の場所に分ける」＋「まとめて管理する」

という、第77章のテーマはバッチリです 💯🎉

1️⃣2️⃣ まとめ 🌸​

  • App.tsx に Context ロジックを全部詰め込むと、あとで読みにくくなる😵‍💫

  • ThemeContext.tsx のように、Context ごとに専用ファイル＋Provider コンポーネントを作るとスッキリ ✨

  • AppProviders で 共通 Provider をひとまとめにすると、

    • main.tsx も
    • App.tsx も 読みやすくてメンテしやすい構成になる 🧹

  • このパターンは、このあと出てくる

    • ユーザー名 Context（第78章）
    • ダークモード Context（第80章） でもそのまま使える「守備範囲広めのテクニック」です 💪

次の章からは、この分けた Provider を使って、実際にいろいろな場所にデータを配っていきますよ〜🥰